思い出がつまったケーキ

思い出がつまったケーキ
こちらのケーキは、ニューヨーク堂の定番の中の定番です。
まだまだお菓子を言えば和菓子・・・という戦後の時代から当店の定番ケーキでした。いったいどこから卵とか小麦粉を仕入れているの・・・??という時代からのケーキです。
「パインケーキ」といいます。

プレーンなパウンドケーキにソースをかけています。
でも、このパウンドケーキが特別な味だとよく言われます。
ギュッとつまっていてシットリしてマッタリして・・・説明が難しいです。上のソースも甘い酸っぱい感じで、下のパウンドケーキとピッタリ合ったいい感じの味・・・・やっぱり説明がうまくいきません。申し訳ないです。

このケーキは、お客様の昔からの思い出と共に今を迎えていると言っても過言ではないかもしれません。

先日、もうすぐ90歳だというお客様からお話を聞かせて頂きました。そのお客様の結婚式の引き出物だったらしいんです。
その時、お作りしたのは一代目。結婚式の後、たくさんの方に「美味しかった・・・どこのお菓子?」と聞かれて、ご自分が褒められているかの様に嬉しかったと、ニコニコお話して頂きました。今現在と違って、ケーキの材料も簡単に手に入れる事の出来なかった時代のケーキ・・・どれだけ気持ちを込めて食べて頂けていたんだろうか・・・と思うと、私も、その時代のニューヨーク堂にお客さんとして行きたくなりました。